「こまったさん わかったさん」と検索する人の多くは、名前は聞いたことがあるけれど違いが曖昧だったり、どちらから読めばよいのか迷っていたりします。
結論からいうと、こまったさんは料理のシリーズ、わかったさんはお菓子のシリーズです。
どちらも寺村輝夫さんの人気児童書で、日常から不思議な出来事へ入っていき、物語の中でレシピの楽しさに触れられるのが大きな魅力です。
しかも、こまったさんはお花屋さん、わかったさんはクリーニング屋さんという違いもあり、似ているようで読み味にはきちんと個性があります。
この記事では、2つのシリーズの違い、各巻の特徴、読む順番、子どもに向くのはどちらか、大人が懐かしく読み返すときの楽しみ方まで、迷いやすいポイントをまとめて整理します。
「結局どっちが自分や子どもに合うのか」を判断しやすいように、比較表も交えながら分かりやすく解説します。
タップできる目次
こまったさんとわかったさんの違い
まず押さえたいのは、2つはよく並べて語られる姉妹のような存在ですが、同じシリーズではないという点です。
作者はどちらも寺村輝夫さんで、料理やお菓子をテーマにした児童読み物として長く親しまれてきました。
ただし、主人公の職業、作るもの、物語の雰囲気にははっきりした違いがあります。
料理とお菓子の違い
最も分かりやすい違いはここです。
こまったさんは「おはなしりょうりきょうしつ」シリーズで、スパゲティ、カレーライス、ハンバーグ、オムレツ、サラダ、シチューなど、食事として親しみやすい料理が中心です。
一方のわかったさんは「あかね書房の全10巻シリーズ」で、クッキー、シュークリーム、ドーナツ、アップルパイ、プリン、ショートケーキ、クレープ、マドレーヌなど、お菓子作りが中心になっています。
主人公の設定の違い
こまったさんはお花屋さんです。
わかったさんはクリーニング屋さんです。
どちらも最初から料理人やパティシエではないところが面白く、ふだんの仕事をしている主人公が、配達や外出の途中などに不思議な出来事へ巻き込まれ、いつのまにか料理やお菓子作りに入っていきます。
この「普通の人が、ちょっとした冒険の先で作ってしまう」という流れが、子どもにとっても入りやすい理由です。
読み味の違い
こまったさんは、食卓に出てきそうなメニューが多いため、生活感や食事の楽しさが伝わりやすいシリーズです。
夕食のメニューと結びつけやすく、「今度これ食べたい」「家でも作れそう」と感じやすいのが特徴です。
わかったさんは、甘いものへの憧れや特別感があり、読後に「おやつの時間が楽しみになる」タイプの魅力があります。
特にケーキや焼き菓子はイベント感があるため、誕生日や休日の手作りおやつと結びつけて記憶に残りやすいシリーズだといえます。
ひと目で分かる比較表
どちらを選ぶか迷う人向けに、要点を表で整理します。
| 比較項目 | こまったさん | わかったさん |
|---|---|---|
| 主なテーマ | 料理 | お菓子 |
| 主人公 | こまったさん | わかったさん |
| 主人公の仕事 | お花屋さん | クリーニング屋さん |
| 代表的な内容 | スパゲティ、カレー、ハンバーグ、オムレツなど | クッキー、プリン、ショートケーキ、クレープなど |
| シリーズ構成 | 全10巻 | 全10巻 |
| 読後の印象 | ごはんを作ってみたくなる | おやつを作ってみたくなる |
| 向いている読者 | 食事づくりや家庭料理に親しみたい子 | お菓子作りや甘いものが好きな子 |
シリーズを選ぶときは、作品の優劣ではなく、子どもが今いちばん興味を持っている食べ物は何かで決めるのがいちばん失敗しにくいです。
こまったさんシリーズの魅力
こまったさんは、料理そのものへの入口としてとても優秀なシリーズです。
食べることに興味を持ち始めた子どもにとって、料理名がそのままタイトルになっている分、内容を想像しやすく、手に取りやすい強さがあります。
料理名がそのまま物語になる楽しさ
「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのカレーライス」「こまったさんのオムレツ」のように、タイトルだけでテーマが伝わります。
これは、初めて読み物に親しむ子にとって大きな利点です。
難しい概念ではなく、「今日はこれの話なんだ」とすぐ分かるので、読み聞かせにも一人読みにも向いています。
家庭の食卓と結びつきやすい内容
こまったさんの料理は、特別なごちそうばかりではありません。
日常の食卓に近いメニューが多く、子どもが現実の生活とつなげやすいのが魅力です。
たとえば夕食にカレーやハンバーグが出る日に読むと、物語の中の料理と現実の食事が重なり、読書体験が一気に身近になります。
本を読んだあとに「今度は一緒に混ぜてみる」「卵を割ってみる」といった行動につなげやすいのも、こまったさんの強みです。
こまったさんの代表的な巻
確認しやすい巻としては、スパゲティ、カレーライス、オムレツ、サラダ、シチューなどがあります。
全10巻でまとまっているため、少しずつ集める楽しみもありますし、図書館で順番に借りる楽しみもあります。
わかったさんシリーズの魅力
わかったさんの魅力は、お菓子作りのときめきを物語として味わえることです。
クッキーやショートケーキのように、子どもが名前を聞いただけでわくわくしやすい題材が並んでいるので、読み始める前から期待感があります。
非日常感のあるお菓子テーマ
お菓子は食事よりもイベント性が強く、「特別なおいしさ」と結びつきやすい題材です。
そのため、わかったさんは読書の時間そのものを少し華やかにしてくれます。
誕生日、クリスマス、友だちとのおやつ時間など、子どもの楽しい記憶とも結びつきやすく、シリーズへの愛着が生まれやすい傾向があります。
お菓子作りへの憧れを刺激する構成
あかね書房の紹介でも、物語の中にお菓子作りの鍵があり、巻末では実際の作り方をわかりやすく解説すると案内されています。
つまり、単なる読み物ではなく、「読んで終わり」になりにくい本です。
読んだあとに、家で近いレシピを試してみるきっかけにもなります。
この体験の広がりが、わかったさんシリーズが長く支持されてきた理由のひとつです。
わかったさんの代表的な巻
代表的な巻は、クッキー、シュークリーム、ドーナツ、アップルパイ、ホットケーキ、プリン、アイスクリーム、ショートケーキ、クレープ、マドレーヌです。
甘いものが好きな子なら、タイトル一覧を見せるだけでもかなり反応しやすいはずです。
読む順番で迷ったときの考え方
この2シリーズは、基本的にどの巻から読んでも楽しみやすい構成です。
そのため、厳密な発表順にこだわらなくても大丈夫です。
迷った場合は、年齢よりも「その子が今好きな食べ物」や「家で再現しやすい題材」から選ぶほうが満足度は高くなります。
初めてならタイトルで選ぶ方法
いちばん手軽なのは、子どもが知っている食べ物のタイトルから選ぶ方法です。
たとえば、カレーが好きなら「こまったさんのカレーライス」、プリンが好きなら「わかったさんのプリン」という選び方で十分です。
児童書の入り口では、「読書の正解」よりも「自分で選べた感じ」が大事です。
興味のあるものから入ったほうが、続きも読みたくなります。
兄弟姉妹で読むなら分け方もあり
兄弟姉妹で好みが違うなら、片方はこまったさん、片方はわかったさんから入るのもおすすめです。
食事系が好きな子と、お菓子系が好きな子では反応がかなり違うことがあります。
同じ作者の作品なので、読み口の親しみやすさは保ちつつ、好みに合わせて選び分けられるのが便利です。
全巻をそろえる必要はあるか
最初から全巻をそろえる必要はありません。
まず1冊読んで反応を見るだけでも十分です。
特に図書館に所蔵されていることが多いシリーズなので、気になる巻から試しやすいのも利点です。
気に入ったら徐々に広げればよく、親としても無理のない選び方ができます。
子どもに向くのはどっちか
結論としては、優劣ではなく興味の方向で選ぶのが最適です。
ただ、選びやすいように判断軸をもう少し具体化しておきます。
食事づくりに興味がある子
台所に立ちたがる子、夕飯のメニューに関心がある子、家族と同じものを作りたがる子には、こまったさんが合いやすいです。
料理は「食べる回数」が多い分だけ、物語の内容を日常生活に結びつけやすいからです。
親子で一緒に台所へ立つきっかけを作りたいなら、まずはこまったさんから入ると自然です。
甘いものやおままごとが好きな子
ケーキ屋さんごっこが好きな子、クッキーやプリンに強く反応する子には、わかったさんが向いています。
お菓子は見た目の楽しさが大きく、読書への入口として華やかです。
特に休日の親子時間に「読んでから一緒に作る」流れを作りやすいのは、わかったさんの強みです。
本をあまり読まない子
本が苦手な子にも、この2シリーズは比較的入りやすいです。
理由は、タイトルが具体的で、食べ物という身近なテーマが最初から前面に出ているからです。
「何の話か分からない本」より、「カレーの話」「クッキーの話」のほうが手に取りやすいのは自然なことです。
読み聞かせの導入にも向いています。
大人が懐かしさで読み返す価値
このキーワードで調べる人の中には、子どもの頃に読んだ記憶を思い出している大人も少なくありません。
実際、この2シリーズは長く読み継がれてきたロングセラーとして扱われています。
懐かしいだけで終わらない理由
大人になって読み返すと、子どもの頃には気づかなかった「導入のうまさ」や「物語から料理へつなげる構成の巧みさ」に気づきます。
ただレシピを並べるのではなく、まず物語で引き込み、その先に作る楽しさを置いているので、今読んでも完成度が高いと感じやすいです。
親になってから読むと、「自分が好きだった理由」がさらに言語化しやすくなります。
親子で共有しやすいシリーズ
親世代が子どもの頃に読んでいて、今は自分の子どもに渡せる作品というのは、思っている以上に貴重です。
「自分も読んだ本だよ」と渡せるだけで、家庭の中に読書の会話が生まれます。
そのうえ、料理やお菓子という共通体験につなげやすいので、本の話だけで終わらないのがこのシリーズの強さです。
関連シリーズや最近の動き
昔からの10巻シリーズだけでなく、関連展開がある点も知っておくと理解が深まります。
こまったさんにはレシピブックがあり、物語に登場するメニューを実際に作れる形で楽しめます。
また、わかったさんには新しい展開として「あたらしいおかし」シリーズが出ています。
こまったさんのレシピブック
こまったさんの物語に出てくる10種のメニューを実際に作れるレシピ集が刊行されています。
物語から現実の調理へつなげたい家庭には、とても相性のよい広がり方です。
読み物だけでなく、親子クッキングの入り口として使いたい人には見逃せない存在です。
わかったさんの新しい展開
わかったさんには、2024年から始まった新シリーズの情報も確認できます。
昔のシリーズが懐かしい人にとってはもちろん、今の子どもが新しく出会う入口としても広がりが出ています。
昔の名作で終わらず、現在進行形で親しまれている点は安心材料になります。
迷ったときの選び方
最後に、実際にどう選ぶかを簡潔に整理します。
まず1冊選ぶ基準
最初の1冊なら、次のように考えると選びやすいです。
| こんな子・こんな目的 | 向いているシリーズ |
|---|---|
| ごはん作りに興味がある | こまったさん |
| お菓子作りに興味がある | わかったさん |
| 親子で夕飯づくりにつなげたい | こまったさん |
| 休日のおやつ作りにつなげたい | わかったさん |
| まずは身近な題材で読書に入れたい | 好きな食べ物のタイトルがある方 |
迷ったら、本人が今いちばん食べたいもののタイトルを選ぶのが、いちばん自然です。
本選びは理屈よりも「読みたい気持ち」を優先したほうがうまくいきます。
まとめ
「こまったさん わかったさん」の違いは、まず料理か、お菓子かで考えるとすっきり整理できます。
こまったさんはお花屋さんの主人公が活躍する料理のシリーズで、食卓に近いメニューが多く、家庭の生活と結びつけやすいのが魅力です。
わかったさんはクリーニング屋さんの主人公が活躍するお菓子のシリーズで、甘いものへの憧れや特別感を味わいやすいのが魅力です。
どちらから読むべきかに絶対の正解はありません。
子どもが好きな食べ物、親子でやってみたい体験、読書の入り口としての取りつきやすさで選べば十分です。
食事づくりにつなげたいならこまったさん。
おやつ作りのわくわく感を大切にしたいならわかったさん。
この基準で考えれば、最初の1冊はかなり選びやすくなります。
名前が似ていて混同しやすい2シリーズですが、違いが分かると、むしろ両方読みたくなるはずです。
懐かしさで手に取る大人にも、これから出会う子どもにも、今なお魅力が伝わる児童書だといえます。